美立教室2月のテーマ

2月のテーマは「長生きする歩き方」です。
2017年12月末に「長生きする歩き方」というタイトルの本がでました。
この本は、エイ出版から出ているランニングスタイルという雑誌の別冊ムックとして出たのですが、その医学監修をしました。
ロコモ、メタボ、認知症が健康寿命を阻害する生活習慣病で、不活発病ともいわれ、その対策として歩くことが勧められていますが、
私の意見として、ただ歩けばいいってものではない、3つのAと3つのSが大事だという、いつも強調していることを述べました。
要するに、全身を使って、体の構造に合ういいアライメントで歩くということです。
そのためには全身を協調して上手に動かすこと、そしてそのためには柔らかいからだが必要になります。
さらに、認知症対策として進められているデュアルタスク歩きを紹介し、美立の三歩目大股歩きがいいと述べました。

生活習慣病の代表はLMN つまりLocomo(ロコモ:運動器症候群)、Metabo(メタボ:内臓脂肪症候群)そしてNinchi(認知症)です。
ロコモ、メタボ、認知症がABC順でLMNと並んでいるのは面白いと思います。
これらは不活発病ともいわれ、動かない生活習慣から生まれます。
便利な現代の生活環境(車、重機、テレビ、インターネットなど)のなかで、子供の遊びもゲームが中心になっています。
逆に、動けば 脳も活性化する、筋力低下を防げるということで、運動が勧められます。
なかでも、歩くことはお金もかからないし、いつでもどこでもできるということで広く行われています。
しかし、ただ歩けばいいってものではないということを常々言ってきました。
メタボの人が歩きすぎて膝や腰が痛くなってロコモが顕在化してきたという話はよくあります。
つまり、歩く前に準備、3つのSが必要なのす。
立つこと、ストレッチをすること、背骨を動かすこと、背骨を含めた全身を使うことを目指して体を調整することです。

すでに歩いているヒトはチェックが必要です。
美しく歩いているか、痛いところはないかをチェックしたら、体を触ってみます。
押して痛いところがないかと痛みの好発部位を触ってチェックします。
脛やひざなど痛くなりやすいところを自分で押してチェックします。
また、運動の記録をしていると症状が出た時でも早期診断の判断に役立ちます。
どんな運動を、どんな頻度で、どこで、どのくらい行ったか記録するといいでしょう。

高齢者にとってなりたくない疾患の第一である認知症とは脳の後天的な障害です。
認知症には中核症状と周辺症状があります。
中核症状とは程度や発生順序の差はあれ、全ての認知症患者に普遍的に観察される症状です。
記憶障害、見当識障害(時間・場所・人物の失見当)、認知機能障害(計算能力の低下・判断力低下失語・失認・失行・実行機能障害)をいいます。
周辺症状(BPSD行動・心理障害)とは以下の症状であり、リハビリの適応があります。
幻覚(20-30%)、妄想(30-40%)、徘徊、異常食行動(異食症)、睡眠障害、抑うつと不安(40-50%)、焦燥、暴言・暴力(噛み付く)、性的羞恥心の低下(異性に対する卑猥な発言の頻出など)などです。
認知症のリハビリとしては周辺症状がターゲットとなります。
認知症の周辺症状は、患者さんの不快感や不安によって引き起こされるものであるため、リハビリを行うことで改善を見込められるのです。
脳を活性化させたり、身体を動かすよう促したりして、患者さんが出来ることを増やしていき、自信を取り戻し、意欲的にさせることで、周辺症状の原因を取り除くことが出来ることをめざします。

ウオーキングは脳を活性化するということで、認知症予防にデュアルタスク歩きが勧められています。
デュアルタスクというのは二つのことを同時に行うという課題です。
認知症になりやすい人は、「歩行中に話しかけられて足を止めてしまう」、「テレビに夢中になって皿洗いの手が止まってしまう」など、さまざまな動作を同時に行えなくなっているといわれています。
これを見て、三歩目大股歩きそのものがデュアルタスクだと思いつきました。
三歩目を大股で歩くという課題(タスク)で歩くと3拍子で気持ちよく歩ける、左右交互に歩けるという効果もあります。
これに認知症の予防にもなるというわけです。
さらに三歩目を大股で踏み込むときトレーニングのレッグランジ歩き(前足)だけでなく、後足に意識を向けると後ろ足のストレッチ歩きになります。
そして、意識をふくらはぎに当てたり、ハムストリングスに当てたり、股関節前面の大腰筋に当てると違う筋肉をストレッチすることができます。

さらに、三歩目タスク歩きの課題(タスク)を考えてみました。
まず、意識したところを手で触るというタスクが考えられます。
これは、右手で右足を触るより、右手で左足を触る方が難しくなります。
つぎに、右手と右足を同時に出すというタスクで、つまりナンバ歩きです。
一歩ごとにナンバ歩きをするとやりにくいのですが、3回に一度だと簡単にできます。
さらに、三歩目に両手でじゃんけんをする、振り返る、身体を触るなどを思いつきました。
そのほか、三歩目に色をいう、三歩目に野菜の名前をいうなどアイディアも出てきました。

話を本のことに戻すと、食べかたコラムとして「老化しない身体を作る」ということ載っていました。
抗酸化と抗糖化対策には運動だけでなく食べ物の工夫がいるというのです。
抗酸化は身体のサビを防ぐと表現され、活性酸素を減らすこと、要因(紫外線、大気汚染、喫煙、ストレス、栄養の偏りなど)を減らすこと、食事の工夫(ビタミンA,E,C、βカロテン、アスタキサンチン、リコピン、ルチン、イソフラボンなどをとる)をすることがあげられていました。
もうひとつの抗糖化対策は、身体のコゲを防ぐという表現で、糖質制限や糖の急上昇を避ける食べ方をする、食物繊維をとる、運動をすることがあげられていました
さらにフレイル(虚弱)予防として、筋量維持のためにタンパク質とビタミンC、骨量維持のためにカルシウムとビタミンDを取ることが勧められていました

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