美立教室1月のテーマ

2018年1月のテーマは「犬も歩けば棒に当たる、ヒトも歩けば転ぶことがある」です。
「犬も歩けば棒に当たる」というおなじみのいろはカルタの意味は、だれでも生活していると、けがの可能性があるということだと思います。
ヒトも歩けば転倒するけれど、高齢者は転んではならないのです。
転ぶと骨折をする可能性があり、股関節骨折の予後が悪く、がんより怖いといわれているからです。

そこで、転倒対策が必要となるのです。
われわれの美立が転倒対策になります。
まずは、いいアライメントで立つ、スクワットをします。
スクワットの次に、一歩を踏み込むときにいいアライメントで行うレッグランジを行っていきます。
また、「とっさの一歩」という言葉が転倒対策でいわれます。
美立健康体操ではとっさに踏み込んで、レッグランジを行うことがそれに当たります。
さらに、転んだときは上手に転ぶことを練習しておくこともすべきだと思います。
これは、受け身の応用です。

転倒は若い人でも起こります。
とくに、スポーツではよく見られます。
相手を転倒させるのが目的の格闘技もあります。
コンタクトスポーツではタックル、ボディコンタクトで転倒がよく見られます。
そして、スポーツ外傷の原因一位が転倒です。
つまり、若い人でも転倒すればけがをする可能性があり、転倒しないためには準備がいるというわけでトレーニングが行われます。

スポーツ医学では外傷予防のために受傷の原因要因を追究します。
その中で要因を、個人要因と環境要因とに分けて追及します。
原因要因が分かれば対策が立ちます。
個人要因とは、スポーツ歴、職歴、生活習慣、病歴などが考えられます。
別なことばでいうと昔からの言葉で「心技体」です。
体力、技術、精神に欠けたところがあると弱いところに無理がかかるというわけです。
競技参加には準備が必要で、トレーニングが必要となります。
もうひとつの環境要因とは「天地人」という言葉がいいと思っています。
天候や慣れない土地での試合、相手の技量、仲間のチームワーク、指導者の指導法などが要因になります。
チームをサポートするスタッフの腕の見せ所でもあります。
体育館の床の状態やグランドなどの環境整備なども含まれます。
スポーツ医学の智恵は高齢者の転倒、骨折の予防にもつながるものです。
普通の生活に必要な体力、技術がなくなってないかチェックしたり、普段歩く道の選び方や床が整理整頓されているかなどです。

最近のレポートですが、米国においては、
65歳以上の全医療費の約6%が転倒に関わる医療に費やされている。
不慮の事故による死亡は、死因別では心血管障害、悪性新生物、脳血管障害、肺障害に次ぐ第5位である。
不慮の事故の内2/3が転倒によるもので、さらにその75%は65歳以上である。
転倒は65歳以上の死亡率の13%に該当する。
という極めて驚くべき事実があるということが転倒予防学会のHPにありました。
また、この学会の理事長 武藤先生(整形外科医)の挨拶があり、転倒事故を原因として死亡に至るいわゆる「転倒死」の事例は、今や年間7,000 件を超え、交通事故死7,500 件に迫る状況であると警告しています。
また10 月 10日は 転倒予防の日となづけて、寄せられた 転倒予防川柳 (予防学会歴代大賞作品)が紹介されていました。
離さない 昔は君で 今は杖 (2017)
あがらない 年金こづかい  つま先が (2013)
口先の 元気に足が 追いつかず (2011)

転倒対策で、見直す必要があるのは飲んでいる薬と生活習慣です。
また、自分の身体の現状をチェックすることも定期的に行いましょう。
ロコチェック、ロコモ度チェックもおこないましょう。
またメタボチェック、認知チェック、活動度チェックもしましょう。
結論は、自分の身体を知って上手に身体を使おう、美しく立とう、美しく歩こうといういつもの話になります。

具体的にはランジと受け身の練習です。
転倒予防のためにとっさの一歩の練習をしようといわれますが、とっさの一歩のトレーニングとしてレッグランジがいいと思います。
まず、つま先と膝が同じ方向に踏み出して足の真ん中に体重を載せるという練習です。
最初は膝の上に両手を置いて筋肉が固くなるのを確認しましょう。
親指で大腿四頭筋、後ろに回した指でハムストリングス、内転筋の同時収縮を確認するのです。
足の置き方、膝の向きでこれらの筋肉の収縮が違ってきます。
全部同時に入るように、足全体力がかかることを感じて行いましょう。
それができたら、手は膝からはなして、斜め前、横、斜め後ろといろいろな方向に踏み込みます。

受け身を練習しようというと引いてしまう人が多いのですが、誰でもできることを家でも練習しようと勧めています。
転倒事故で一番多いのは前に転んで手を着いて手くびを骨折してしまうという事例です。
前受け身は顔が床に当たらないように両手を同時につきます。
肘も含めて前腕と手を同時に着くのです。
接地面積を広くして1箇所に負担をかけないようにという工夫です。
顔が落ちていくとすごく怖いのですが、一度練習してみると以外と顔が着く前に時間があって、両方の手と前腕を着くことができることが実感できます。是非、お試しください。

後受け身は尻餅をついて脊椎を圧迫骨折するのですが、尻餅をつきそうになったら背中を丸くして、両足を上げて、後に転がりましょう。
そのとき、大切なのは頭を打たないことです。
頭は3-5kgあって重たいので慣性の法則でごっつんとぶつけることになりがちです。
すると脳がやられる可能性があります。
そこで、柔道の受け身では転びながら、両手を広げて地面を叩くと同時にあごを引くのです。
練習は座布団を頭の来るところにおいてお尻を着いてしゃがみます。
後に転がり背中が床に付いたタイミングで床を叩き、頭が座布団に着かないようあごを引きます。
わかっていても、何人かやると頭が座布団に当たる人がいます。
寝床で練習しましょうと勧めています。

横に転んで大転子をぶつけると大腿骨頚部骨折が起こります。
この対策は手を着かずに側方回転受身ですが、これは高齢者には無理なので、横向きで手を着いて支えてもらいます。
この支える姿勢だと手の指先は頭の方向を向いていると思います。
この手の向きを逆に向けると肘が曲がり背中が着いて転がります。
横向きの転倒対策は、手で支えないこと、手を着かないで倒れてみましょうというとです。
背中から着いて受け身を取ることになります。

これらの受け身の練習はやってみるといい体操になります。
高齢者にやって効果があるのといわれることもありますが、みなさん楽しんでやってくれます。
何年か前の経験ですが、おかげで大事に至らずに済みましたと感謝されたことがありました。
高齢の母親と来た方でしたが、前年母親が転倒して手くびの骨折をして手術をしたそうです。
先日のこと、同じように転んだので、あ〜またと思ったのだそうです。
でも、手を着かずに円くなって転んで事なきを得たそうです。
練習が役に立ったと感謝されました。
皆様に紹介する次第です。

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