菅平高原セミナーを終えて

去る3月24、25日に菅平高原で美しく立つセミナーを行いました。
今年も菅平高原の雪の上をスノーシューで歩いてきました。
美立体操をして、腹ばいから四つ這い、高ばいとシュミレーションをして四つ足で歩く意義を考えて歩こうとスノーシューを履いてポールをついてノルディックウオークに出かけました。
まだ営業している大松山スキー場をかすめて林の中の山道を歩きました。
最後は誰の足跡もない広々とした畑を歩いて足跡を残してきました。

帰ってきたあと、菅平合宿会場のゾンタックにできた、ボルダリングの壁を見学し触ってきました。
ゾンタックとは40年のつきあいです。
宿の主人の松浦さんが旅行会社を辞めて、小さなペンションができあがる前からのつきあいです。
少しずつ大きくなっていったゾンタックに子どもたちの成長と合わせて毎年行っていました。
プールから、グランド、体育館、ジムなどを作り上げ、いまやラグビーの全日本チームの合宿の場にもなっています。
先日の平昌オリンピックでメダルを取ったパーシュートの高木姉妹たちも合宿していたそうです。

そのゾンタックにボルダリングのかべができました。
東大整形外科の後輩でやはりゾンタックとも長年のつきあいであるリハビリ医の飛松好子先生からの働きかけもあり立派なかべがこの冬にできました。
飛松先生は若い頃は運動音痴だったという話を聞いています。
こんな彼女が中年から岩登りを始めたという経緯が、雑誌スポーツメディスンに連載されていました。
そして、この度、ボルダリングの本を出した飛松先生の話と、その本を出版した清家さんに今の世の中で本を出すことの話を聞かせてもらうように、合宿に来ていただきました。
まだ、本は完成してないのであまり語れないとのことでしたが、彼女が長いボルダリング歴の中で得てきた上手な身体の使い方を残したいというコンセプトは聞けました。
上手な身体の使い方は私のコンセプトでもあり、興味深くお二人の話を聞きました。

宴会と交流会では美立の指導者のペーさん、ドイツでクリスマスコンサートに行って骨折した大坪さんのリハビリの話を聞きました。
そのあとの二次会では大坪さんのピアノを楽しみました。

翌朝は雲ひとつない天気に恵まれて、ゾンタックの前の芝生で清々しい空気を味わいながら、八段錦から体操が始まりました。
リードは滝澤さんにお願いしました。
自分でやるより新鮮な八段錦でした。
そのあと、いつものように、菅平自然館の木道を歩きました。
まだ、歩く人もいないのか、傾いたところ、雪が積み重なるところなどちょっと怖いところもある散歩でした。

朝食後、渡会の講義とペーパー解剖学が行われました。
講義の内容は、3つのSの確認と3つのAの意義を確認、身体への興味を高め、動きの違いを楽しみ、身体を使いこなすことをめざそうといういつもの話しの確認でした。
ボルダリングにあわせ、手足をいっぱいに伸ばすこと、サルの手足と肩甲骨と骨盤の比較解剖学、脊椎の解剖学と実際に動かすことも行いました。
ペーパー解剖学は脊柱と胸郭と横隔膜、骨盤と脊椎の連動を模型作りから理解しようと楽しみました。
今回初参加のフットマーク高橋さんはトライアスロンを目指すというアクティブな女性ですが上手に模型を作って皆をびっくりさせました。
聞くと、立体裁断の仕事をされているということでした。
今度、いろいろ教えてもらうことになりました。

フットマーク田中さんには足裏の荷重分布の測定結果をプリントしてもらいました。
鮫島先生と二人の理学療法士の若い先生たち、ニッサンの島田さん真木さん、飛松先生の昔からのクライミング仲間の黒木さんから良かった、いろんな異業種のかたと知り合えたとうれしい感想を聞くことができました。
次回、秋のダボス高原を歩こうと帰途に着きました。
東京に帰ると、上野や浅草は桜が満開近くになっていました。

渡會公治

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美立教室2月のテーマ

2月のテーマは「長生きする歩き方」です。
2017年12月末に「長生きする歩き方」というタイトルの本がでました。
この本は、エイ出版から出ているランニングスタイルという雑誌の別冊ムックとして出たのですが、その医学監修をしました。
ロコモ、メタボ、認知症が健康寿命を阻害する生活習慣病で、不活発病ともいわれ、その対策として歩くことが勧められていますが、
私の意見として、ただ歩けばいいってものではない、3つのAと3つのSが大事だという、いつも強調していることを述べました。
要するに、全身を使って、体の構造に合ういいアライメントで歩くということです。
そのためには全身を協調して上手に動かすこと、そしてそのためには柔らかいからだが必要になります。
さらに、認知症対策として進められているデュアルタスク歩きを紹介し、美立の三歩目大股歩きがいいと述べました。

生活習慣病の代表はLMN つまりLocomo(ロコモ:運動器症候群)、Metabo(メタボ:内臓脂肪症候群)そしてNinchi(認知症)です。
ロコモ、メタボ、認知症がABC順でLMNと並んでいるのは面白いと思います。
これらは不活発病ともいわれ、動かない生活習慣から生まれます。
便利な現代の生活環境(車、重機、テレビ、インターネットなど)のなかで、子供の遊びもゲームが中心になっています。
逆に、動けば 脳も活性化する、筋力低下を防げるということで、運動が勧められます。
なかでも、歩くことはお金もかからないし、いつでもどこでもできるということで広く行われています。
しかし、ただ歩けばいいってものではないということを常々言ってきました。
メタボの人が歩きすぎて膝や腰が痛くなってロコモが顕在化してきたという話はよくあります。
つまり、歩く前に準備、3つのSが必要なのす。
立つこと、ストレッチをすること、背骨を動かすこと、背骨を含めた全身を使うことを目指して体を調整することです。

すでに歩いているヒトはチェックが必要です。
美しく歩いているか、痛いところはないかをチェックしたら、体を触ってみます。
押して痛いところがないかと痛みの好発部位を触ってチェックします。
脛やひざなど痛くなりやすいところを自分で押してチェックします。
また、運動の記録をしていると症状が出た時でも早期診断の判断に役立ちます。
どんな運動を、どんな頻度で、どこで、どのくらい行ったか記録するといいでしょう。

高齢者にとってなりたくない疾患の第一である認知症とは脳の後天的な障害です。
認知症には中核症状と周辺症状があります。
中核症状とは程度や発生順序の差はあれ、全ての認知症患者に普遍的に観察される症状です。
記憶障害、見当識障害(時間・場所・人物の失見当)、認知機能障害(計算能力の低下・判断力低下失語・失認・失行・実行機能障害)をいいます。
周辺症状(BPSD行動・心理障害)とは以下の症状であり、リハビリの適応があります。
幻覚(20-30%)、妄想(30-40%)、徘徊、異常食行動(異食症)、睡眠障害、抑うつと不安(40-50%)、焦燥、暴言・暴力(噛み付く)、性的羞恥心の低下(異性に対する卑猥な発言の頻出など)などです。
認知症のリハビリとしては周辺症状がターゲットとなります。
認知症の周辺症状は、患者さんの不快感や不安によって引き起こされるものであるため、リハビリを行うことで改善を見込められるのです。
脳を活性化させたり、身体を動かすよう促したりして、患者さんが出来ることを増やしていき、自信を取り戻し、意欲的にさせることで、周辺症状の原因を取り除くことが出来ることをめざします。

ウオーキングは脳を活性化するということで、認知症予防にデュアルタスク歩きが勧められています。
デュアルタスクというのは二つのことを同時に行うという課題です。
認知症になりやすい人は、「歩行中に話しかけられて足を止めてしまう」、「テレビに夢中になって皿洗いの手が止まってしまう」など、さまざまな動作を同時に行えなくなっているといわれています。
これを見て、三歩目大股歩きそのものがデュアルタスクだと思いつきました。
三歩目を大股で歩くという課題(タスク)で歩くと3拍子で気持ちよく歩ける、左右交互に歩けるという効果もあります。
これに認知症の予防にもなるというわけです。
さらに三歩目を大股で踏み込むときトレーニングのレッグランジ歩き(前足)だけでなく、後足に意識を向けると後ろ足のストレッチ歩きになります。
そして、意識をふくらはぎに当てたり、ハムストリングスに当てたり、股関節前面の大腰筋に当てると違う筋肉をストレッチすることができます。

さらに、三歩目タスク歩きの課題(タスク)を考えてみました。
まず、意識したところを手で触るというタスクが考えられます。
これは、右手で右足を触るより、右手で左足を触る方が難しくなります。
つぎに、右手と右足を同時に出すというタスクで、つまりナンバ歩きです。
一歩ごとにナンバ歩きをするとやりにくいのですが、3回に一度だと簡単にできます。
さらに、三歩目に両手でじゃんけんをする、振り返る、身体を触るなどを思いつきました。
そのほか、三歩目に色をいう、三歩目に野菜の名前をいうなどアイディアも出てきました。

話を本のことに戻すと、食べかたコラムとして「老化しない身体を作る」ということ載っていました。
抗酸化と抗糖化対策には運動だけでなく食べ物の工夫がいるというのです。
抗酸化は身体のサビを防ぐと表現され、活性酸素を減らすこと、要因(紫外線、大気汚染、喫煙、ストレス、栄養の偏りなど)を減らすこと、食事の工夫(ビタミンA,E,C、βカロテン、アスタキサンチン、リコピン、ルチン、イソフラボンなどをとる)をすることがあげられていました。
もうひとつの抗糖化対策は、身体のコゲを防ぐという表現で、糖質制限や糖の急上昇を避ける食べ方をする、食物繊維をとる、運動をすることがあげられていました
さらにフレイル(虚弱)予防として、筋量維持のためにタンパク質とビタミンC、骨量維持のためにカルシウムとビタミンDを取ることが勧められていました

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平昌オリンピックを見て:スケート競技

平昌のオリンピックではいろいろな種目の美しい動きを堪能しました。
私なりの見方で見た感想を述べてみたいと思います。

スピードスケートの滑りを前からスローで撮っている映像を見ていたら、背骨が左右に交互に回転するさまがみてとれました。
背中の回転と同期して、両足が斜めうしろに押されていました。
両手は捻れんばかりに振られていました。
目は獲物を見つめるかのごとく、全身の動きはトラかヒョウのようでした。
報道でもケモノのようだといった言葉にレディに対し失礼だとかいろいろな反応があったそうです。
でも、小平奈緒選手が言うには、オランダで構えを指摘され「怒った猫のように」と言われ、より低い構えで腕を振ることを実行したそうです。
全力で加速するときなど両手を振る場合と、カーブを曲がるときなど片手だけを振る場合がありました。
片手を振りながらでも左右に力を伝えることができるのかなと思いました。
そこで、過日、スキーに行ったとき自分で確かめました。
緩斜面をスケーティングで滑っていく時、手を振ってみました。
両手では、スピードが出ないので合わず、難しいと感じました。
片手だけで左右に腕を振るのを真似てみると、じつに理にかなっていると感じました。
右手が右に振られる時に右足が前に出て行く、左足が出て行く時に右手を左に振る。
この動きだと左右の足に力を伝えることができるのでした。
左手は腰の真ん中に置くのも納得できました。
身体の中心を押さえて左右の動きを感じるのです。
片手をスイングしても全体をバランスよく動かしていることがわかるのです。
そして、スケートもスイング動作だ、左右の足に乗って、足の先のスケートの刃が氷を押して進んでいくのだ、と見て取れました。

パーシュートの写真を見て、前からの三人で構えた姿は美しい、一糸乱れず滑っていくのも美しいと感じました。
フィギュアも含めてスケートの人気が増してきました。
子供たちがスケートに取り組むことが予想されます。
ここで、私の持論を述べたいと思います。
スケートは立てれば滑れるということです。
まず美しく立つことを子供たちにスケートを教える中で指導してほしいと思っています。
股関節、膝関節、足関節のアライメント(並べ方)が良ければ足の真ん中に荷重することができるのです。
スクワットを教え、膝の屈伸方向と足関節の屈伸方向と一致させることを教えてほしいのです。
これができれば、スケートの刃の上に立つことができます。
逆ハの字で立って、片足で押して片足に乗ればすごいスピードで滑れるのです。
このスピード感は子供にはたまらないものだと思います。
刃の上で立てるならば竹馬も乗れるし、スキーも滑れるし、ハイヒールも履きこなせると思います。
スポーツ障害なくスポーツを楽しむことができると思います。
ぜひ、この基本の基を子供のときに教えて身に着けてほしいと思います。

私の少年時代、冬は寒く、屋外リンクがいろいろなところにできて、子供たちが集まってスケートを楽しみました。
ちゃんと教わることもなく、貸し靴を借りては滑っていましたが、見様見真似で上達は遅くいつまでも、ずっと手すり磨きに終始するだけでした。
その後、なんとか滑れるようにはなりましたが初級レベルでした。
スポーツドクターになってアライメントの良し悪しがスポーツ障害につながることを見つけ研究してきました。
日体大のスケート実習でも教わったことですが、スケートは刃の上にまっすぐ立つことができれば、簡単に滑れるものなのです。
東大の教員時代に学生たちをスケートリンクに連れて行って確認してみました。
ただ、問題なのが、貸し靴でした。
貸し靴だと皮の靴は変形してしまっています。
いいアライメントで立つことができる人が少なく、だんだん刃が傾いているうちに靴が変形してくるのです。
こうした靴を履くとまっすぐに立つのはむつかしいことになり、スケートが難しいものになります。
幸い今は、プラスチックのブーツが出てきました。
アライメントよく美しく立つことをスケートに行く前に身につけておくといいと思います。
スケートがとても楽しくなるでしょう。
基本となる立ち方を教えるのにスケートはとてもいいものだと思います。
子供たちに是非教えるべきだと思います。
いい選手が続いていくことを願っています。

渡會公治

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美立教室1月のテーマ

2018年1月のテーマは「犬も歩けば棒に当たる、ヒトも歩けば転ぶことがある」です。
「犬も歩けば棒に当たる」というおなじみのいろはカルタの意味は、だれでも生活していると、けがの可能性があるということだと思います。
ヒトも歩けば転倒するけれど、高齢者は転んではならないのです。
転ぶと骨折をする可能性があり、股関節骨折の予後が悪く、がんより怖いといわれているからです。

そこで、転倒対策が必要となるのです。
われわれの美立が転倒対策になります。
まずは、いいアライメントで立つ、スクワットをします。
スクワットの次に、一歩を踏み込むときにいいアライメントで行うレッグランジを行っていきます。
また、「とっさの一歩」という言葉が転倒対策でいわれます。
美立健康体操ではとっさに踏み込んで、レッグランジを行うことがそれに当たります。
さらに、転んだときは上手に転ぶことを練習しておくこともすべきだと思います。
これは、受け身の応用です。

転倒は若い人でも起こります。
とくに、スポーツではよく見られます。
相手を転倒させるのが目的の格闘技もあります。
コンタクトスポーツではタックル、ボディコンタクトで転倒がよく見られます。
そして、スポーツ外傷の原因一位が転倒です。
つまり、若い人でも転倒すればけがをする可能性があり、転倒しないためには準備がいるというわけでトレーニングが行われます。

スポーツ医学では外傷予防のために受傷の原因要因を追究します。
その中で要因を、個人要因と環境要因とに分けて追及します。
原因要因が分かれば対策が立ちます。
個人要因とは、スポーツ歴、職歴、生活習慣、病歴などが考えられます。
別なことばでいうと昔からの言葉で「心技体」です。
体力、技術、精神に欠けたところがあると弱いところに無理がかかるというわけです。
競技参加には準備が必要で、トレーニングが必要となります。
もうひとつの環境要因とは「天地人」という言葉がいいと思っています。
天候や慣れない土地での試合、相手の技量、仲間のチームワーク、指導者の指導法などが要因になります。
チームをサポートするスタッフの腕の見せ所でもあります。
体育館の床の状態やグランドなどの環境整備なども含まれます。
スポーツ医学の智恵は高齢者の転倒、骨折の予防にもつながるものです。
普通の生活に必要な体力、技術がなくなってないかチェックしたり、普段歩く道の選び方や床が整理整頓されているかなどです。

最近のレポートですが、米国においては、
65歳以上の全医療費の約6%が転倒に関わる医療に費やされている。
不慮の事故による死亡は、死因別では心血管障害、悪性新生物、脳血管障害、肺障害に次ぐ第5位である。
不慮の事故の内2/3が転倒によるもので、さらにその75%は65歳以上である。
転倒は65歳以上の死亡率の13%に該当する。
という極めて驚くべき事実があるということが転倒予防学会のHPにありました。
また、この学会の理事長 武藤先生(整形外科医)の挨拶があり、転倒事故を原因として死亡に至るいわゆる「転倒死」の事例は、今や年間7,000 件を超え、交通事故死7,500 件に迫る状況であると警告しています。
また10 月 10日は 転倒予防の日となづけて、寄せられた 転倒予防川柳 (予防学会歴代大賞作品)が紹介されていました。
離さない 昔は君で 今は杖 (2017)
あがらない 年金こづかい  つま先が (2013)
口先の 元気に足が 追いつかず (2011)

転倒対策で、見直す必要があるのは飲んでいる薬と生活習慣です。
また、自分の身体の現状をチェックすることも定期的に行いましょう。
ロコチェック、ロコモ度チェックもおこないましょう。
またメタボチェック、認知チェック、活動度チェックもしましょう。
結論は、自分の身体を知って上手に身体を使おう、美しく立とう、美しく歩こうといういつもの話になります。

具体的にはランジと受け身の練習です。
転倒予防のためにとっさの一歩の練習をしようといわれますが、とっさの一歩のトレーニングとしてレッグランジがいいと思います。
まず、つま先と膝が同じ方向に踏み出して足の真ん中に体重を載せるという練習です。
最初は膝の上に両手を置いて筋肉が固くなるのを確認しましょう。
親指で大腿四頭筋、後ろに回した指でハムストリングス、内転筋の同時収縮を確認するのです。
足の置き方、膝の向きでこれらの筋肉の収縮が違ってきます。
全部同時に入るように、足全体力がかかることを感じて行いましょう。
それができたら、手は膝からはなして、斜め前、横、斜め後ろといろいろな方向に踏み込みます。

受け身を練習しようというと引いてしまう人が多いのですが、誰でもできることを家でも練習しようと勧めています。
転倒事故で一番多いのは前に転んで手を着いて手くびを骨折してしまうという事例です。
前受け身は顔が床に当たらないように両手を同時につきます。
肘も含めて前腕と手を同時に着くのです。
接地面積を広くして1箇所に負担をかけないようにという工夫です。
顔が落ちていくとすごく怖いのですが、一度練習してみると以外と顔が着く前に時間があって、両方の手と前腕を着くことができることが実感できます。是非、お試しください。

後受け身は尻餅をついて脊椎を圧迫骨折するのですが、尻餅をつきそうになったら背中を丸くして、両足を上げて、後に転がりましょう。
そのとき、大切なのは頭を打たないことです。
頭は3-5kgあって重たいので慣性の法則でごっつんとぶつけることになりがちです。
すると脳がやられる可能性があります。
そこで、柔道の受け身では転びながら、両手を広げて地面を叩くと同時にあごを引くのです。
練習は座布団を頭の来るところにおいてお尻を着いてしゃがみます。
後に転がり背中が床に付いたタイミングで床を叩き、頭が座布団に着かないようあごを引きます。
わかっていても、何人かやると頭が座布団に当たる人がいます。
寝床で練習しましょうと勧めています。

横に転んで大転子をぶつけると大腿骨頚部骨折が起こります。
この対策は手を着かずに側方回転受身ですが、これは高齢者には無理なので、横向きで手を着いて支えてもらいます。
この支える姿勢だと手の指先は頭の方向を向いていると思います。
この手の向きを逆に向けると肘が曲がり背中が着いて転がります。
横向きの転倒対策は、手で支えないこと、手を着かないで倒れてみましょうというとです。
背中から着いて受け身を取ることになります。

これらの受け身の練習はやってみるといい体操になります。
高齢者にやって効果があるのといわれることもありますが、みなさん楽しんでやってくれます。
何年か前の経験ですが、おかげで大事に至らずに済みましたと感謝されたことがありました。
高齢の母親と来た方でしたが、前年母親が転倒して手くびの骨折をして手術をしたそうです。
先日のこと、同じように転んだので、あ〜またと思ったのだそうです。
でも、手を着かずに円くなって転んで事なきを得たそうです。
練習が役に立ったと感謝されました。
皆様に紹介する次第です。

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年頭のご挨拶

皆さま明けましておめでとうございます。
美立健康協会は今年で6年目を迎えます。まだまだ認知度は低いのですが、ロコモ美立体操を行っている方からは高い評価をいただいています。ロコモ美立体操は3つのS(Squat:スクワット、Stretch:ストレッチ、Spine Exercise:背骨ほぐし)をするだけという体操です。しかし漫然とするのではなく、そのエッセンスとなっている3つのA(Anatomy:解剖学、Alignment:アライメント、Awareness:気づき)を身に着けることが重要です。このことをどう理解してもらうか、そしてどうすればこの体操を継続してもらえるかを考えることがこれからの課題だと思っています。

私ごとですが、2017年3月に帝京平成大学を退職しました。少しは暇ができるかと思っていたのですが、ご縁があって帝京科学大学の特任教授として週2回授業を行っています。あわせて整形外科の外来診療を水曜日と木曜日に半日ずつ行っています。結局、自由になる時間は殆ど増えていませんが、楽しく健やかな毎日を過ごしています。
ロコモ美立体操を広める拠点を作るべく、自宅で美立道場をはじめました。道場には病院で診るべき人も来るかと考え、浅草寺病院で外来を始めました。
より美立に興味のある人を対象に菅平セミナーを年二回行っています。雪残る春先と紅葉の時期、長野県菅平高原で開催しています。ご一緒にスノーシューやノルディックウォークを楽しめたら幸いです。
目黒ゴルフ練習場、コモアカデミーと一緒にゴル健合宿という催しを年3回行っています。ゴルフで健康づくりがコンセプトで、ロコモゴルファーを治したい、防ぎたいとの思いで続けています。ゴルフ好きな人はご参加ください。

下の写真は自作の紙製のイヌです。これは、従来、授業やセミナーで行ってきたペーパー解剖学をアレンジしたものです。ペーパー解剖学は解剖学を立体的に理解するには自分で作ってみることが一番だと思い始めました。型紙を載せますので印刷してご自分で作ってみてください。赤い線を切り、破線を山折りにして、適当に丸めて、★どうしをホチキスで止めるだけです。

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平成30年1月吉日 渡會公治

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